東アメリカ州郡国概要

イエローストーンの拡散爆破により割れたもう片方のアメリカ。

略名東部州郡国。

首都はワシントンD.C

国家主席である州郡国総議長はビル・サウザランド。

偏西風により全土がダメージを受けており、人類がマスクなしで住める場所は少ない。

首都機能を分散化しており、フロリダ州を富裕層の住む土地として他の区と別の独立州としており、中でもジャクソンビルを行政特区の城塞都市化している。

中産階級をメキシコ湾沿岸に住まわせ煤煙に近い州を工業地帯並び下層階級と移民の居住地としている。

エウロパ及びアフリカからの移民の流入に一定の理解を示しているが、それは環境破壊による労働者寿命の短さからくるもので、労働力の入れ替えにすぎず自らの命を差し出す奴隷という見方をもっている。

エウロパ連合に所属しなかった東ヨーロッパ機構からの技術者を多く迎え入れており、亜人開発を飛躍させ人体改造に対しても積極的である。

各州を収める州議長を社長とするカンパニーヒエラルキーに基づく社会制度を確立している。

学業習得も中産階級からとされており、下層階級及び移民には労働だけが与えられる。

完全なる格差社会で成立した国家である。

 

ビル・サウザランド州郡国総議長

東アメリカ州郡国をまとめる総議長。

所謂大統領に相当する地位の人物、ヨーロッパ機構に属する貴族階級に強いパイプを持ち、将来的には東米エウロパ二重強国を作ろうと企んでいる。

軍事のことはエシェル将軍に任せきりのところがあり、戦線に疎いが自腹を切らない限りはどんな生産を行っても文句を言わない利己的実利主義者で、貧困層を労働へと駆り立てている。

制度の在り方から、東アメリカ州郡国という会社の社長のようなもので、各州議会は専務執行委であり、部署は各工業によって分けられている。

基幹産業で内需拡大が望めないためアフリカ・ユニオンや神聖バビロニア帝国に武器輸出や亜人技術の積極的輸出を行い、見返りに限定移民という名の奴隷を仕入れており、人道を顧みない辣腕政治家でもある。

奴隷貿易の仕切りをしているため彼だけが飛び抜けた財貨をもっているが、他の議長から睨まれているのも事実。

彼の強引な運営のために実際東アメリカ州郡国は少なからず傾き始めている。

 

トーマス・エシェル将軍

東アメリカ陸軍少将。

前線基地デンバーで指揮をとっているが、エウロパ事件以降はソルトレイクに司令部を移し、膠着化した戦線を動かすため自ら前線へと動きだす。

亜人兵にも一定の信頼をもっており、ミーム・ディグラッセ大尉を強く買っている。

人類は亜人と共に進化すべきという考えをもっている。

 

ヒックス・ワトスン少佐

東アメリカ軍ソルトレイク基地所属の人類士官。

落ち目の特権階級出身で、戦場に自らの侍従を連れてきているお坊ちゃん。

学も乏しく銭湯にも詳しくないが野心は大きい、東の情報を西に流していた張本人でアルベルト・ピラと懇意である。

捕虜を自らの手で確保しようとした理由もそこにある。

エシェル将軍による第二次大攻勢があるとは思っていなかったため、窮地に陥り悪知恵を働かせている。

 

オーサー・トライトン軍医中尉

ヒックス・ワトスン少佐の爺や。

嘘ではなく本当に爺、ただ元軍人でもある。

中流家庭のワトスン家の三男坊であるヒックスが出世目当てでソルト・レイクへと出征を決めた時、供回の者として連れてこられた。

老体だが先頭経験もあるため、ヒックスより強いかもしれない。

軍医を称しているが実際はぼっちゃんの世話係でもある。

 

ルイス・ラドフォード少将

東アメリカ軍の第一次大攻勢により収奪した都市ソルト・レイクをあずかる城将。

トーマス・エシェルとは同期にして数学者でもある。

性格は温厚にして基本通りを好み、なおかつ物事を計算式で考えているため「計算と違う」と深く思案する。

本国からは飛び地であるソルト・レイクに人間士官を置くためには、彼のような常識的でありながらも自由度の効く人間が必要だったためエシェル少将の推薦で着任した。

モーレア大乱で信徒たちとソルト・レイクを巡って戦うことになるが......

 

ヴォルフガング・モンティアナ博士

東アメリカ州郡国最高科学委員会博士。

東アメリカ州郡国先進科学開発所所長。

ギリシャ出身のハンガリー人で年齢は138歳、バイオ・アップという肉体活性化因子を注入し年齢にそぐわぬ肉体を維持している。

バイオ・アップを施しながらも容姿は年齢相応、60代くらいの顔や髪で全体的に見れば普通老女である。

亜人の開発と研究の第一人者にして、人類進化学の権威でもあり、かつて「聖なる圧力」を顕現させたカヌカ・ミラディーと面識を持っている。

ミラディーが力を顕現させたのは40年前であるため、東アメリカ首脳からはモンティアナ2世「ティナ2世」などと呼ばれている。

理由は普通に考えれば寿命で初代は死んでいると考えられたから、現在の彼女はクローンないし、娘、または孫ではと推測されているが本当のところはわかっていない。

存在の不確定さを疑うよりも、彼女の実力を取ったという形で研究施設の所長にされている。

かつての人間進化学最先鋒だった東ヨーロッパ機構の頂点である双頭の鷲の1人。

東の魔女と呼ばれ恐れられていた。

姓が前にあるのはハンガリー出身のため、名前がモンティアナである。