用語集及び世界観設定等


カルペ・ディエム計画

末期へと進む世界の中で考案された人類進化のためのプロジェクト。

既存の体を強化することも基より、心の強化を基本に感情を経験値化することに成功し、それを持って心身ともに強化された人間を作ることを目的とした計画。

本来人間には個別の感情があるが、短い人生において一度の悲劇に全ての人生を支配され心の劣化につながる。

それが人間個体の進化を妨げているという考えにより、多くの感情を吸収し精神の進化を加速させようというのがこの計画の核である。

戦争を拡大させたり、圧政を強いたりするのはもまた悲しみの感情を克服できないからだと博士たちは考えた。

精神の強化は、まず感情の多角化により1つの事柄を2つの見方でまとめ1つの精神へと変えることであり、それにより支配感情を薄め、経験値だけを上げるというものから始まった。

 

心エンジン

 人工的に作られた擬似人型生命体である 星座の子たちに感情を定着させる器官の通称。

正式名称は「第二感情経験値蓄積器官」

製造から素材まで、既存の人間とは80%以上違う星座の子たちは製造当初の初期状態では「心」がない。

ただの生きた器にすぎないため、感情を定着・蓄積させる器として体内に作られている。

この定着が安定期に入ると、初期の心が形成されて人と同じように行動できるようになる。

「感情が欲しい」という彼女たちの言葉には、より強い心を作りたいという願いが込められている。

強靭な心を作るためには、自分主体の感情ではなく第三者(基本的に所有者)の感情を客観的にみて「喜怒哀楽」の分類し感情経験値をあげ心を生成するということである。

器である彼女たちにとって感情の供給源は所有者・マスターに限られており、マスターの個別の感情の中で最も際立つ感情を抽出し超力(ノヴァ・パワー)を作る、その器官でもある。

 

 

感情経験値

所有者が日々感じる感情は彼女たちの心エンジンに蓄積され、彼女たちの心を形成する。

これを感情経験値と言う。

この感情の中でマスターの持つ最も際立つ感情が一定値以上溜まる事でニンブスを発現することができるようになる。

星座の子たちは超力をもってニンブス使役するために同じ星座の子が蓄積した感情を欲する傾向が強くなっている。

彼女たちの闘争の根源は、心の育成、力の発現、そのために蓄える感情経験値の奪い合いである。

前序にあるように一定値以上の感情経験値がないとニンブスを発現できず、他の星座に倒される恐れがあるためどの子も最初の力を得るために必死である。

端的に言えば、心の栄養が感情という図である。

 

超力(ノヴァ・パワー)

心エンジンが安定期を超えると、所有者の最も際立つ感情の排出を行うようになる。

一つの感情が強すぎる事で人間は滅びる事が多いため、それを抜き取り平均化するための作用なのだが、それだけではもったいないため、抜き取る感情を力に変換し物理世界を戦う武器へと変換させた物の事を超力と言う。

現在恋歌が行使させている超力は『矛盾(コントラディクシオン)』にもとずく行動。

乙女座、春山真珠が顕現しているのは『支配(インペリウム)』

行使と顕現の差はニンブスの有無であり、有る事で力は絶対のものになる。

それぞれの所有者が持ち続ければ障害を自らを滅ぼすほど強く持っている感情が彼女たちの武器となる。

 

アルゲルス・ニンブス

端的な意味は天使の輪。

超力を現実世界で実体化させるために必要となる制御弁のようなもの。

主人の際立つ感情は世界を動かす可能性が秘められている、それを現実世界に武器として顕現させるには制御が必要になる。

彼女たち人造の器にはそれを制御するための輪が備えられており、それが天使の輪と呼ばれるニンブスの事である。

確定した超力を最適化するための輪。

 

博士達の設定では最大6つの輪となり体に現れる。

輪が多いほど超力のコントロールは精密になり、攻撃力も絶大なものとなる。

春山真珠が最初から4つの輪を持っていたのには理由があるが、初期状態では腕に2つというのが基本である。

ニンブスにはもう一つの役割があるが今は不明である。

 

新港区

西日本海大震災において人口流入に伴い東京都に新たに作られた区。

西ノ島新都の開発で使われた最新技術により東京湾の1/3を埋める規模で作られた人工島。

造成の過程で江東区の飛び島を接収している。

地震大国である事を前提にした浮島で、人類史上最大規模の積層建築物でもある。

新規に作られた土地だが治安の荒れた他の区と徹底した区分が図られている。

多くの富裕層が住んでおり、その税収において区内自治がなされている。

サークル0以外の道は全てにガードボックスが付いており、立ち入りの制限など多くのセキュリティーが作られているが......

星座の子達の戦いになんらかの関係があるらしく、彼女たちの戦闘にたいしては野放し状態であり、むしろ隠蔽工作を行う者たちが暗躍している。

 

新港区立新都学園

新港区に作られた大企業・富裕層御用達の進学高。

当然の事だが、新世紀華族界を通し区によって運営されており、一般人が入学する事は出来ない学園である。

金持ちに都合よく作られているため、貧富の差によっていじめにあう事も多い。

学園内部もそれに準じて作られており、昼食などをとる場所も企業の実力によって暗黙の了解ではあるが分けられている。

 

離宮区

震災以降統廃合された東京の新しい区、旧港区、渋谷区、新宿区をまとめた区。

港区には旧来からの資産家や企業の支店などが多く存在し、新宿区街には国家経営のカジノがある。

東京都内での最大旧市街である渋谷区街は人口流入のさいに取り残され流民や低下層市民なども住んでおり治安格差が大きい。

区としては最大の財政特別区で区軍警をもっており、渋谷街区の治安維持並び中野・杉並からの不法侵入区民の駆除を行っている。

この時代の23区はそれぞれが独立特区となっているため、そういういざこざも少なくない。

新環状道路サークル0や直通の地下リニアが通り新港区とは道路で繋がる土地でもある。

 

離宮区立赤坂旧宮学院

新世紀華族界が区を通して運営する本家本流から外れた次子たちが集まる学院。

学院とあるがほぼ男子校。

本家嫡流にあっても次男だったり、側室の子だったりする者の多くがこの学院にはいり、本家を支える者としての教育を受ける事になる。

が、二番手である事で少なからず本家の度合いが擦れた彼らは、かなり自由奔放な学院生活を送っている。

紅海たちより前の世代が始めた渋6放送などもそうだが、割と気性の荒い暴力系男子の巣窟だったりもする。

 

渋6放送

離宮区渋谷区 街で行われるロクデナシたちの賭博大会を放送する局名。

もともと渋谷区街を根城にする浮浪者やあぶれ者たちの事を「渋谷区街のロクデナシ」を略して渋6と呼んでいた。

そこで彼らの賭けを面白おかしく放送する集団があらわれ、その主催並び運営を渋6放送と呼んだ。

正体は赤坂旧宮学院の生徒たちで、玄人顔負けの放送を始め高額有料での放送もしている。

今回赤こと紅海と悠人の戦いも放送した。

 

新世紀華族界

前世紀末期に起こった世界同時散発型戦争と金融危機により崩壊した世界の中から、新自由主義に則り経済再建をした日本国における財政華族による最高議会の事。

基本は3代以上 累を重ねた企業、親族経営による独裁によって大きくなった会社のみが参加できる。

経済財界の集合体であるこの組織は、日本国の政治にも大きく関わっており、のちにセントラル・セブンの礎へと変貌する事になるが、今は日本国による経済最上位組織にして、国政審議委員会として存在している。

現在の財界華族院長は   。

次席に大政八条院金井雅治(だいせいはちじょういん・かない・まさはる) 南洋開発ブルー・シーンの参議青峯大海(さんぎのあおみね・たいかい)、北条コンツェルンの参議北条伊氏(さんぎのほうじょう・よしうじ)などがいる。

対して政治を支えた財界人として入った者も多く、代表格は五条花白川尚也(ごじょうはなしらかわの・なおなり)や一条金野乃井牧人(いちじょうかなのいの・まきひと)などがいる。

 

西ノ島新都

2014年日本近海太平洋岸で起こった地盤隆起、それにより浮上した島。

西ノ島の隆起に伴い小笠原列島各所で竜骨のような浮き上がりが発生、元あった島の5倍ほどの大きさを得て堤防のような列島を形成した。

その中でも一際は大きく浮上したこの島は東京都と同じぐらいの面積を持つ島となり、その地を恒久的に使用するため政府事業として開拓改良をした。

事業にはアメリカ合衆国の介入もあったが、日本側では御影産業が筆頭施工主として参加している。

88星座の子供達を製造したのはここに作られた研究所である。

 

キャハナー・チキン

2020年ごろから実用化された毛羽根のない鶏。

2008年に遺伝子学者アブドル・キャハナーが異種交配の方法で作り出した羽根なしの鶏。

2018年世界中で起こった同時多発戦争、小規模事変の結果経済も危機に瀕したが食糧問題も大きくなったため急遽実用域に開発された。

開発発表当初は動物愛護団体などから避難されたが、結局人間が生きることが優先され市販化された。

食物加工しやすくするため羽根も毛もない鶏のようだと、羽根を持たないノーネームスターズをバカにして発せられた侮蔑語。

開発者の名前が付いているのは「人造」作り手ありきの存在である彼女達をより卑下するためだと思われる。